「(ネガティブな出来事、、、)でも、そんなの関係ねぇ!はい、おっぱっぴー!」。海パン一丁で踊りながら繰り出すギャグが流行ったことがある。不幸を笑い飛ばすネタは清々しくもあった。物事が予定通りに進まないのは当たり前。多くの人は、わかっていても、「それが世の中ってもんだ」と開き直れずに一喜一憂してしまう。だからこそ、すべてを「関係ねぇ」と切り捨てて謎のポーズを決めるギャグがウケたのだろう。
物事がうまくいかないと機嫌が悪くなるが、うまくいけば明るくなる。仕事が予定より遅れたら怒り出し、予定通り進めば調子に乗る。自分が関わっているプロジェクトが失敗すれば落ち込んで、成功すれば得意満面。期待はずれの仕事を与えられるとやる気をなくし、希望通りの仕事に就くと威張り散らす。給料が少なかったら暗くなり、たくさんもらったら元気になる。
あなたの周りにも、そんな人は大勢いるだろう。何より私自身、環境の影響から自由になれない。でも本当に大事なのは、そんなものに左右されない「心の強さ」だ。自分が勝手に抱いた期待や希望が裏切られたといって悲嘆に暮れ、外の環境が思い通りに変わらなかったといって暗く沈む。そんなことを繰り返していれば、あっという間に心は壊れてしまう。
外部の環境は、私の都合で、私の期待に合わせて変わってくれるものではない。それは仕事であれ、職場環境であれ、人間関係であれ、すべて同じ。私の外側にあるものが、私の都合など考慮してくれるはずがない。もっと言えば、私の期待を裏切ることばかりだ。
でも、それは仕方のないこと。ただ単純に存在している環境の中で、私たちはただ生きているだけ。環境を思い通りに変えることなど、到底できない。いくらイヤだと思っても、冬は寒く、太陽が照っている時間は短い。そこで冬を恨むのではなく、暖かいコートでも着れば問題は解決する。希望や目的をつくるのは良いが、現実を無視すると精神的な問題が起こる。
結局、私たちは、環境に適応することで生きていくしかない。どんな時代であれ、どんな場所であれ、生き残るのは環境を把握して適応する者だ。その際もっとも大事なのが、「いちいち心を揺さぶられないこと」。何があっても、何がなくても、予定通りに進まなくても、「そんなの関係ねぇ。まあ、それはそれでいい」と開き直って、淡々と、冷静な気持ちで対応しよう。
環境に適応するコツは、自分が置かれた状況を冷静に把握して、「どうしたら良くなるだろう?」と工夫を重ねること。それには、ときに大胆でタフな発想が求められる。物事を思い通りに進めようと、無駄に抗って心を痛めつけるのではなく、まずは何があっても平静でいられるよう、自分の心を管理した方がいい。仕事が予定通り進まなかったり、誰かに期待を裏切られたりしたときは、このポイントを思い出そう。仏教で一貫して語っているのは、まさにこの自己管理についてなのだ。