【ブッダの神髄を伝える】

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2022/01/22 07:00


サッカー好きの青年が、「10万回シュート練習する」と決意した。ボールを10万回蹴り続ければ、かなり上達するだろう。では、この青年は、どのタイミングで上達するのだろうか。1000回目? 1万回目? あるいは5万回目? それとも10万回目?

10万回シュート練習に励んだら確実に上達するとしても、10万回目を蹴り終えた瞬間に、突然覚醒するのではない。実際には、1回、2回、3回という繰り返しの中で、少しずつ上達する。逆に言えば、1回、2回、3回という繰り返しの中で少しずつ変化し、成長しなければ、10万回シュートを打ち続けたところで、大した成長は望めない。

ここに、時間の本質が隠れている。シュートを10万回蹴り続けるとしても、1回のシュートを蹴る瞬間は、その1回しかない。その1回ごとに上達しなければ、時間は無駄になってしまう。だから、「私は、変わり映えのしない毎日を暮らしている」と感じている人がいるとしたら、大きな間違いだ。実にもったいない時間の浪費で、命を無駄遣いしている。1回、1回のシュート練習を漫然と続けて、無駄にしているのと同じだ。

あっという間に消え去ってしまう「今」という時間を大切にして、少しずつでも成長しよう。本来的には「変わり映えのしない一日」など存在しないのだから。私たちは、ただその変化を体感できていないだけで、体感できるほどの変化は、日々の積み重ねからしか生まれない。

「一期一会」という言葉がある。「人と会うとき、その出会いは一度きり」という意味で使われがちだが、この言葉の本来の意味は、もっと広い。人との出会いに限った話ではなく、「すべての現象との出会いは、たった一度しかない」というのが本来の意味だ。すべての現象との出会いとは、「時間との出会い」にほかならない。

時間とは、私たち自身のうちにあるもの。時計の針を動かしても、時間は長くなったり短くなったりしない。スケジュール帳をあれこれ書き換えたところで、私たちの時間が根本的に変化することはない。時間とは命そのものであり、どんな時間も一度しか存在しない。これを読んでいる「今」という時間は、たった一回きりで、未来永劫、二度と巡り会えない。

時間管理の基本とは、「今というたった一度しかない瞬間をどう生きるか」に尽きる。単純に24時間を区切って、そこで何をするかというスケジューリングの話ではない。すぐに消え去っていく時間の積み重ねの中で、私がどう変わり、成長していくか。この意識こそが、命という時間を生かす管理術だ。絶えず消え去っていく、かけがえのない「命」という時間を無駄にしていないか? その答えは、あなた自身の中にある。


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